医療法人社団恵友会 霧ヶ丘つだ病院 MSW 末松 利加

1.病院の概要

 北九州の小倉北区に位置する医療法人恵友会霧ヶ丘つだ病院は、呼吸ケアユニットRCUを含む人工呼吸器管理のできる38床の一般病床、31床の地域包括ケア病床の69床からなる、呼吸器に専門特化している病院です。
当院は1966年に先代の理事長、津田稔が九州労災病院を退職し、主にじん肺の患者さんや呼吸器の患者さんを専門に診ながら、内科の病院として地域に貢献して参りました。
1998年からは、現、理事長・院長の津田徹が呼吸器を病院の柱に、呼吸リハビリテーションを充実させ、睡眠呼吸障害、在宅呼吸ケアの分野にも力を注いできました。

2.特徴

 呼吸器疾患の患者さんが大半を占め、現在、在宅酸素療法の患者さんは129例、気管切開下の人工呼吸器や非侵襲的人工呼吸器NPPVの導入も行っております。
4ベットある睡眠呼吸センターでは、睡眠時無呼吸検査などを行っており、終夜睡眠PSG検査7,830件、その治療の一翼を担っているCPAP管理は、1,613件にのぼります。
呼吸リハビリテーションでは、多くの職種で構成されている呼吸ケアチームがかかわり、運動療法のみならず、病気に対する理解と自己管理の指導、栄養指導、薬物療法などについても患者さんを包括的にサポートしています。
 また、外来型の呼吸リハビリテーションでは、外来呼吸リハ教室を開いており、心身の問題を抱えることの多い患者さんのストレスマネジメント、ストレスコントロールの支援を目的に代替療法や補完療法として、臨床美術、リラクゼーション、ヨガ、音楽療法、アロマテラピーなどを行っています。
 こういった代替療法は患者さんから好評を得ており、外来リハビリテーションの継続率のアップにつながっているのではないかと思われます。

3.在宅支援

 在宅での支援として、併設施設のケアプランステーション、デイサービスほっとホーム霧ヶ丘、訪問看護ステーション(訪問リハビリ)などを行っています。
 2015年に介護付有料老人ホームあべやまを開設し、予防から急性期、亜急性期、慢性期、在宅、そして介護施設のシステムのロールモデルとなるべく邁進しています。

4.ソーシャルワークと今後の展望

 当院での医療ソーシャルワーカーは、いわゆる医療におけるソーシャルワーク業務に加え、医療連携業務を担うほかに、COPD治療の基本である禁煙指導、患者さんやご家族が体だけでなく心も前向きになれるような病院環境を目指すための接遇教育、そして包括的呼吸リハビリテーションの中に位置する音楽療法やアロマテラピー、ヨガなどに携わっています。一見ソーシャルワークとはほど遠いようですが、すべては患者さんやご家族の支援に繋がっています。
慢性呼吸不全の症状である息切れは外観からはわかりません。また、数値として表すことも困難です。病状だけでなく、気分や心の状態によって左右されることもあります。
 こういった息切れを改善するためには、薬だけでなく、患者さんが抱えるすべての問題を解決することが必要になります。
それには、医師の力だけではなく、看護師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパー、デイサービススタッフ、栄養士、薬剤師、検査技師、事務職などが一丸となり、力を合わせ、かつ、専門分野を活かしながら、患者さんやご家族が前向きに取り組めるよう手助けをし、解決されてゆくべきだと当院のスタッフは思っています。
 また、2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築が進められていますが、地域においてその人にとって適切な呼吸ケアの医療・介護サービスが受けられる環境になるよう、私たち呼吸ケアチームが貢献してゆきたいと考えています。

 

 

医療法人社団恵友会 霧ヶ丘つだ病院

〒802-0052 福岡県北九州市小倉北区霧ヶ丘3-9-20

TEL : 093-921-0438

 

 

                                           平成30年10月1日現在