大牟田天領病院 MSW 石橋 理絵

1.当院について

 社会保険大牟田天領病院は、福岡県最南端の急性期一般病棟(188床)、地域包括ケア病棟(40床)、回復期リハビリテーション病棟(100床)、障害者病棟(53床)を有する病院です。同敷地内には、居宅介護支援事業所、訪問看護・訪問リハビリテーション、デイケアがあります。

 急性期治療、リハビリテーション、生活支援までの過程では、かかりつけでない方でも気軽に受診や相談ができる病院作りをしています。地域の医療機関や介護事業所との関係作りにも力を入れており、地域医療連携室では電話での対応以外にも伺って対面で説明をしたり、必要に合わせて情報を届けています。

 最近お伝えしたいトピックスは、11月1日より社会保険大牟田吉野病院(旧大牟田労災病院)と統合しました。4階建ての新棟が完成し、1階に腎センター、リハビリ室、2階・3階に回復期リハビリテーション病棟、4階が大牟田吉野病院の入院患者様も入院されている障害者病棟になっています。

 大牟田吉野病院の入院患者さまは、1963年に戦後最大の三池炭塵事故で受けた後遺症のため在宅生活が困難となり、長期入院をされていました。事故の後遺症で受けた高次脳機能障害は、見た目には分かりづらいですが、生活や仕事に支障が出てしまいます。事故から60年が経過しましたが、多くの死者や後遺症に苦しむ方がいらっしゃることを私たちは医療や福祉の立場で、引き継いでいかなければならないと感じています。

 

2.地域医療連携室について

 当院の地域医療連携室は退院支援看護師2名、患者サポート体制看護師3名。事務員3名、医療ソーシャルワーカー7名が在籍しています。私たちソーシャルワーカーは、退院支援、金銭的相談、受診に関する相談を対応しています。最近感じていることは、相談の内容が制度では解決せず、患者さまとその家族や友人、親戚など支援者を取り巻く環境の調和が図れていないと、患者さまの望む生活には近づけないことを感じています。人と環境をみることができるソーシャルワーカーであることを目指し、協働しています。